3 選んではいけない❷ ひと部屋が異常に小さいワンルームマンション

4時限目 失敗しない物件選びのための3つのステップ



01【Step1】選んではいけない不動産物件を避ける


1「選んではいけない不動産物件」を覚える

 「失敗しない不動産物件を選ぶには、はじめに選んではいけない不動産を理解しておく」のがポイントです。

 「利回りは高いけれどこういう不動産物件は勧められない」という物件が実はたくさんあります。つい利回りの高さに目がいってしまいますが、結局あとで損をしてしまうことになるのです。3時限目でも触れましたが、もう一度ここで投資用不動産のリスクをおさらいしておきましょう。

 投資用不動産のリスクは次の3点でした。


●入居者が出てしまうとなかなか決まらない

●転売しづらい

●不動産価格や賃料が景気に左右されやすい


 これには次のような不動産があてはまります。


❶ 新耐震基準前に建てられたマンション

❷ ひと部屋が異常に小さいワンルームマンション

❸ 賃貸が成り立たない地域に建っている不動産物件


 このような不動産を選んではいけないのです。


2 選んではいけない❶ 新耐震基準前に建てられたマンション

 マンションは、1981年に耐震基準が大きく改正されて「新耐震基準」になりました。2011年に発生した「東日本大震災」の影響も大きく、これ以降は地震に対するリスクにとても敏感になっています。特に不動産投資家は「地震リスク」を意識しています。ですから、「新耐震基準前に建てられたマンションなのか、それ以降に建てられたマンションなのかによって価格も人気度も違ってくる」わけです。新耐震基準前の建物でもきちんと耐震補強をしたものであれば問題はありませんが、次に述べるような、将来の転売のしやすさを考えても、新耐震基準のマンションを選ぶようにしましょう。


新耐震基準とは

旧基準では「震度5程度の地震に耐えうる住宅」と規定されていましたが、新基準では「震度6強以上の地震で倒れない住宅」というようにより厳しい規定になりました。また旧耐震基準の建物は中程度の地震に耐えられるように設計されていましたが、大地震に対するチェックはされていません。新耐震基準以降の建物は、中程度の地震に対して損傷しないことに加えて、大地震に対しても倒壊しないことなどが要求されています。

参考:一般財団法人マンション再生なび(http://bit.ly/1FVtohA)


入居者問題はクリアできても転売に困る

 ただし賃貸の入居者は、しょせんは自分のものではないという意識も働いていて、マンションが新耐震基準かどうかで借りる部屋を選ぶほど、地震のことを気にはしていません。新耐震基準前に建てられたマンションだからといって、現在の入居者が出てしまっても次の入居者がなかなか決まらないという可能性は低いので大丈夫です。

 それよりも「新耐震基準前に建てられた古いマンションの欠点は、転売しづらい」ことです。

 投資家の物件を選ぶ基準が新耐震基準以降のものという流れになっている以上は、スムーズに売却できる物件を選ぶに越したことはありません。


ハザードマップで、地震の被害がある地域を避けることも大切

 少し余談になりますが、新耐震基準に対応しているかどうかとともに、地震の被害が多い地域で不動産物件を探すことを避けるのが無難です。国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」(http://disaportal.gsi.go.jp/index.html)では、全国のハザードマップを検索・閲覧することができます。「地震の震度被害マップ」や「地盤被害マップ」「地盤被害(液状化)マップ」などが掲載されているので、物件選びの参考にしてください。


1981〜1982年に完成したマンションは要注意!

 1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物に対して新耐震基準が適用されています。マンションは完成するまで1年以上かかるのが普通なので、「1981〜1982年に完成したマンションは、新耐震基準のものとそうでないものがあるので注意が必要」です。この時期に完成した建物は、新耐震基準なのかどうかを必ずチェックするようにしましょう。

 新耐震基準であるかどうかのチェックの方法は次の2つになります。


❶ 仲介業者に確認する

❷ 建築確認申請が出されたのがいつなのかをマンションが存する役所の「建築指導課」などで調べる。1981年5月以前であれば旧基準で建てられた可能性が高い


 1960年代に建てられた1Kのマンションを見てみましょう。1960年ですから築50年以上経っていることになります。たとえば都心の駅から徒歩5分の位置にあるマンションで、現在月額5万円で賃貸中だとします。年間収益は5万円×12カ月=60万円となり、仮に350万円で売り出されていれば、表面の利回りは、60万円÷350万円≒17%となります。

 あなたはこの利回りどう思いますか? かなり魅力的に感じますよね。でも、この表面利回りの高さだけに惑わされてはいけません。このマンションはもちろん「旧耐震基準」です。転売するときになかなか買い手がつかない可能性が高い不動産物件です。そればかりか、もうひとつ注意しなくてはいけない点があります。それは「建て替えの可能性も視野に入れなくてはいけない」ということです。現在築50年だとすると、あと何年もつのでしょうか? 鉄筋コンクリート造のマンションは、理論上は100年以上もつといわれていますが、実際は40年程度で建て替えられる場合が多いです。50年経っているマンションは将来のことを考えても少し不安になりますね。

 そのほか、古いマンションは管理費や修繕積立金が段階的に値上がりすることが多いので、この点も注意が必要です。表面利回りは高くても、経費を引いた実質利回りは低いという不動産物件はたくさんあります。目に見えない配管設備なども古くなっていることが多いので、設備交換には大掛かりな工事やほかの区分所有者の承諾が必要だったりと、高利回りに隠れて見えないところでハードルが高いのが現実です。


3 選んではいけない❷ ひと部屋が異常に小さいワンルームマンション

 同じ1Kタイプといっても、実際は部屋によって大きさがかなり違います。先ほど、小さい1Kのほうが坪単価が高く投資効率はよくなるとお話ししました。少しおさらいを兼ねて見ていきます。たとえば4坪(約13㎡)の1Kの賃料が4万円で坪1万円取れるとすると、7坪(約23㎡)の1Kは坪1万円×7坪で7万円取れるかというと、取れず、6万円前後というのが相場です。投資効率だけを考えると、4坪の1Kを選んだほうがよさそうに感じてしまいます。ここまでが先ほどのお話です。


ひと部屋が異常に小さいワンルームマンションを買ってはいけない理由

 ところがあまりにも小さい不動産物件は、はっきり言って人気がありません。4坪の大きさはどれくらいかというと、ひと坪の大きさが畳2帖なので、玄関もユニットバスもキッチンもすべて含めて8帖程度です。しかもこの4坪というのはいわゆる「壁かべしんめん芯面積せき」のことなので、実際の部屋の広さは5%程度小さくなります。小さなビジネスホテルの部屋を思い浮かべるといいかもしれませんね。


ワンルームマンションを選ぶ目安

いくら投資効率がいいといっても、少なくとも5坪(約16.5㎡)程度の広さはほしい


 平成バブルのころはマンションの価格も異常に高かったので、少しでも安くしようと4坪程度の不動産物件がたくさんつくられました。そのときに建てられた4坪程度の不動産物件は、当然今も流通しています。バブル崩壊後はバスとトイレが別々、ゆとりのある1Kが主流となったので、小さなワンルームマンションは人気がなくなってしまいました。借りてくれる人がいないのでは、いくら投資効率がよくてもお金が入ってきません。

 このような小さすぎる部屋は、景気がいいときは賃料も値上がりするため、安い部屋を求める入居者がいて貸しやすかったり、利回り目当ての投資家が購入するなど転売も比較的容易にできます。しかし、景気が悪い時期は、いったん入居者が出てしまうと、次がなかなか決まらない、転売が困難であるなど投資に向かない不動産物件となってしまいます。市場には左図のような不動産物件もたくさん出回っています。何と3坪のワンルームマンションまであります。4.5帖の部屋の中にキッチンがついていて収納はありません。都心の駅から7分の場所にあり、利便性はいいのですが、まさに寝るためだけのマンションです。月額賃料は4万円なので、年間の収益は、4万円×12カ月=48万円になります。販売価格が400万円ですから、表面利回りは48万円÷400万円=12%です。こういったワンルームマンションが、場所も申し分なく、値段も利回りもいいのになかなか買い手がつかない、借り手が見つからないという典型的な例です。リスクをガンガン取る手慣れた投資家にとっては安く買える不動産物件になるかもしれませんが、初心者がこういう小さなワンルームに手を出すのは危険です。「部屋の広さは大きなチェックポイント」になるということを覚えておいてください。

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